シロアリの生態
シロアリの発見方法
シロアリは、通常5月~6月の巣分かれ(群飛)の時期に羽ありが発生します。
羽ありの発見がシロアリ被害を発見する最大の手がかりです。
それ以外の時は、音も出さず、姿も見せず木材の中等に潜んで加害しています。
シロアリ探知機 ターマセンサー
ヤマトシロアリの羽アリ映像
シロアリの種類
日本に生息するシロアリの大半は、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。
それ以外にも、アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリ等が日本に生息しています。
ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは、北海道北部を除いて、日本全国に分布しています。
特に湿潤な木材を中心に食害をし、多大なる被害を与えます。
有翅虫(羽のあるシロアリ)の巣別れは、一般的に5~6月頃の蒸し暑い正午前に見られる事が多いです。
被害箇所から飛び出すので、発見の手がかりとなります。
また、有翅虫の羽が落ちて残っているのが被害発見の手がかりとなります。
イエシロアリ
イエシロアリは、神奈川県以西から海岸線に沿って本州各地、及び九州や四国、沖縄や小笠原諸島等に分布しています。
大集団で大きな塊状の巣を作り、被害は建物全体に及びます。
水を運ぶ能力を持っており、乾いた木材でもぬらして食害します。
加害速度は速く、被害は激しいものとなります。
有翅虫(羽のあるシロアリ)の巣別れは、一般的に6~7月頃の夕方から夜間に見られるのが普通です。
被害箇所から飛び出し、電灯などの光に集まります(走光性)ので、発見の手がかりとなります。
また、有翅虫の羽が落ちて残っているのが被害発見の手がかりとなります。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカカンザイシロアリは、1976年に東京で発見されて以来、現在までに日本各地で目撃情報が寄せられています。
富山県氷見市においても、発見が報告されています。
特別な巣をもたず、食害箇所に棲息します。
水を必要とせず、乾燥した木材に坑道を作り、小規模で生活します。食害場所から砂粒状の糞を排出するので、発見の手がかりとなります。
アメリカカンザイシロアリの駆除は、非常に困難です。
シロアリの生活
シロアリは、社会性昆虫で、女王・王・働きあり・兵隊ありの階級があり、それぞれ仕事を分担して生活をしています。
シロアリの階級
女王・王:
巣別れで巣から飛び出した羽ありが地上に降りて翅を落とし、雌雄が一対となって巣を作り、女王と王になります。交尾・産卵を繰り返す事で子孫を増やし、巣を拡張します。
副女王・副王:
女王や王が死んだり、傷ついた時に王となる階級です。また、巣が大きくなると王や女王として働く場合もあります。
働きアリ:
最も個体数の多い階級で90~95%を占めます。蟻道や巣を作ったり、修理・清掃をするほか、餌の採取、運搬、育児、他階級のシロアリに餌を与えたりします。
兵隊アリ:
外敵からの防衛に当る階級で、突出したはさみ上のあごや大きな頭部をもっています。
シロアリとアリの区別方法
シロアリは、名前からアリと同じ種族と考えられがちですが、アリの種族ではありません。シロアリは、アリよりもゴキブリに近い種族になります。
シロアリとアリとの区別する方法は以下の通りです。
- アリの触覚は、くの字状をしていますが、シロアリの触覚は、数珠状になっています。
- アリの翅は、前の翅が後の翅より大きいのに対して、シロアリの翅は4枚とも同じ大きさで同じ形になります。
- アリは腰の部分が、ハチの様にくびれていますが、シロアリはくびれておらず、ずんどうな体型です。